登場人物

 西浦は上組・中組・下組と三つの地域からなり、別当とそれぞれの組の能頭を筆頭に「能衆」という人たちが、舞手として参加します。

 別当、能衆が担当する役・舞は各家ごとに決まっており、代々世襲制で引き継ぎ守られてきました。

別当

  • 祭りの祭主であり、西浦の観音様が祀られている観音堂を管理する。
  • 別当家は舞以外にも、祭主としての多くのしきたりや事前儀式の役を持つ。

本堂別当

  • 上組と中組に一人ずついる。別当と共に「御開帳」を行う。
  • 中組の本堂別当は「さおとめ」、「田楽舞」などを担当する。

能頭

  • 池島能頭
  • 池島、上鶯巣からなる上組地域の能頭。舞は「御子舞」、「地がため」、「御船渡し」などを担当する。
    能頭を含む池島の能衆は、御船作りも行う。
  • 所能能頭
  • 観音堂がある所能、梅島、桂山からなる中組地域の能頭。タヨガミを選ぶ役目を持ち、舞は「御子舞」、「つるの舞」、「仏の舞」などを担当する。
  • 大栗平能頭
  • 大栗平、大久名からなる下組地域の能頭。舞では「鳥追」、「翁」などを担当する。

幕屋別当

  • 旧十七日に行われる御開帳という儀式から以降、祭りに使う面のすべてを管理する責任者。

公文衆

  • 直接の舞手ではないが、祭りに使う稗酒作りを取り仕切り、祭の準備や儀式中の役を担う。別当や能衆と共に儀式に参加する。

タヨガミ

  • 火の祭りとしての象徴であるタイ(かがり火)を守る二人の少年。
    毎年、八歳から十三歳の地域の子どもから選ばれる。